相川文成・藤田泰佑・保坂友哉「ガワとアンコから読み解く新内神田モデル -再開発に対する内側街区からの設計-」
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都市は裏と表があることで様々な人の営みを許容してきた。表では周囲から来た人を中心にpublicな場として、裏ではコミュニティの場として成立してきた。この関係により地域特有の発達をしてきた。しかしこういった関係は再開発により本来の裏な機能は失われていく。神田では江戸時代から続く街区そして文化や人情が人口が減ってもなお、継承されている。それらを継承してきた空間が路地空間であると考え神田の失われつつある裏の路地空間に着目し内側街区からの設計を行う。
敷地課題
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・現在の神田の路地と大通りの関係
→中心に低層で老朽化した建築、大通りに高層の建築が立地し、路地面が裏化している(↑右図)
↓これから考えられる神田の姿↓
・今後の神田の再開発その1
→大通りに立地する高層の建築が路地面に侵食し、裏化がさらに進む(↑真ん中図)
・今後の神田の再開発その2
→やがて路地面を潰した大きい街区での高層の建築が建てられ、路地が消滅する(↑左図)
提案
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・昔の神田の敷地内での様子
→江戸期の会所地や路地では、住人が洗濯や掃除な掃除などが行われ、住民同士のプライベートな空間となり、コミュニティが継承された
↓提案↓
・かつて会所地のあった路地空間に、神田で大切にされてきた暮らし方や裏のあり方を、継承し再現する
平面計画
1F Plan
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低層部では食堂や貸しスペース、シェアキッチンなどを配置し、これらのprogramが路地を介すことで神田の良さを残しつつ地域交流のきっかけとなる場所を形成する。
2F Plan
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3つの敷地に対し軸線となる隙間を設け、その軸線に対しテラスや入り口などの関わり合いができるような空間を作り、配置を行う
3F Plan
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空間利活用イメージ
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事業スキーム
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低層部ではシェフを中心に運営を行いイベント時などの空間活用方法などは設計者が運営に参加し空間利活用の提案を行う。また低層部では地域のシェア的空間となり、新規参入者を受け入れをになっている。
まとめ
内神田における生きられた空間とは、ビル裏になってしまったかつての路地裏を表として再生するのではなく、内神田の表と裏の役割を考え神田の裏で継承されてきた地域のコミュニティ、文化などの街区形式を現代的に捉えなおし、内神田のコミュニティーを生き返らせること。
講評:神田の町内会や新住民などの住民のコミュニティの場としての路地を再生させるために、路地裏と表通りを両面から考えた建築設計提案である。地価の高い都心の既成市街地再生の文脈で、アンコの敷地と路地(道路)を一体的に再生させ、息づく都心居住のコミュニティのあり方をデザインと仕組みをセットで提案することに挑戦したものである。(泉山)
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